勇者がいた33日間(お休み)
野獣と野獣と美女と




「黒田君。」

「はい?」

「ここって
男子校じゃなかったんだね…。」

「そうですけど。」




安藤君は一枚の紙を見て、驚いていた。


安藤君の気持ちもわからなくはない。

僕だって入学当初は、男子校だと思っていた。

なぜか、毎年10人ぐらいの女子が入ってくる。




「でも見たことないな。」

「僕もですよ。」

「2年以上通ってるのに?」




僕はコクンと頷いた。


女子生徒は必ず1組になる。

それに、1ヶ月以内にほとんどが不登校か退学かする。


だから、僕は女子とは無縁な学校生活を送っていた。




「あの…
さっきから何見てるんですか?」

「ああ、これのこと?
十文字先生が全校生徒分の
名簿くれたんだ。」



十文字先生は、安藤君に協力的だ。

安藤君にあげた名簿はとても見やすくて、十文字先生の手作りだと思う。

意外にも、十文字先生は几帳面。




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