夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
その時、風が丘を吹き抜けて、矢口の帽子を飛ばした。

その為に矢口は、右手を伸ばして帽子を抑えつけた。

そのはずみに、矢口は側に立つ人影に気づいて見上げた。

「矢口君…、久しぶりね。」
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