Memory

チカラ



―♪〜♪〜♪〜


携帯の着信が鳴る。
私が好きな歌手maymiの着信音。


―ピッ

「もしも…」

『糸雨ちゃん!?』


急いで電話に出た瞬間、憐さんの慌てた声が聞こえた。


「は、はい…憐さん?
どうしたんですか?」


『糸雨ちゃんに力を貸して欲しいんだ。本当なら勉学に励んで欲しい所だけど…今回ばかりは先を急ぐんだ』


憐さんの切羽詰まった状況からも、事件の深刻さが伝わってくる。


「わかり…ました。
私、まだ学校なんですけど…」


『俺がそっちに行くよ。事件の事、このまま電話で話すね』


「はい」



憐さんの話しによると、今回の事件は女子高生誘拐事件。


朝、部活の練習に行くため早くに家を出た女子高生の佐々木 舞衣さんがお昼を過ぎたというのに学校へ来ていない。


それを不審に思った学校が家に電話をかけた所、舞衣さんは学校へ行く為、7時には家を出たという。








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