嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
傷口に薬を塗り終わると
「出来たぞ~!!!」と
ダイちゃんの声と、
美味しそうな匂いが部屋を包んだ。
「うわ!!美味そう~~!!」
健太はゲームを止め、
テーブルに並んだ
ダイちゃんの特製チャーハンを覗く。
「健太の分は
大盛りにしてやるからな!!
たくさん食え!!」
「ありがとう!!ダイちゃん」
スプーンも持ち、
物凄い勢いで食べ始める健太に、
私とダイちゃんは目を合わせて微笑んだ。
三人で食事をしていると、
直子さんが帰ってきた。
「あら。2人とも来てたの?」
直子さんはそう言って、
チャーハン頬張るケンタの顔を覗き込む。
「あら、健太の目、
ずいぶん赤いけどどうしたの?」
直子さんの質問に
うつむいてしまう私と健太を見て、
ダイちゃんが
「母さん、こっち」と
となりの部屋に向かった。
私たちの居ないところで、
事情を説明してくれ、
直子さんが部屋から出て来ると
「健太……それは辛かったね。
アタシから
お父さんに言ってあげるから
安心しなさい」と、
健太の肩に手を置いた。