嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-



「……大介??

母さん、何か言ってた?」



コーヒーをテーブルに置き、

姉ちゃんが小さく呟く。



「“親の私でも
何をやっているか分からない”って。

……姉ちゃん、

ホントは
パチンコ店で働いてないだろう?

何やっているんだ?」



肩を丸めた姉ちゃんが、

チラッと視線を向ける。



「やっぱりバレるよね……。

パチンコ店は
最初の3ヶ月だけ働いて、

その後はキャバクラ。

あと……

掛け持ちで、
モデルもやったりしてる……」



「モデル?!

姉ちゃん、モデルになったのか?!

すげぇじゃん!!!」



姉ちゃんは美人で、
スタイルも良い。


モデルになれると思っていた。



でも予想外な答えが返ってきた。



「でもこのことは
母さんに言わないで。

アタシがやっているモデルは、

雑誌や広告のモデルじゃないから」



「はあ??

じゃ…何のモデルだよ??」



俺はモデルという響きに、

雑誌に出ているような
華やかの世界を想像した。



そういうのじゃないモデルってあるのか??


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