花霞む姫君
「結婚してっていわれて、それでなんて答えたの?」

「な、何にも返事はしてないよ…」

「なのにキスさせたの?」

「させたっていうか…」

「あんた、自分が堀内の姫だって自覚、あるの?」

じ、自覚?

「そんなのないよ、昨日の今日で!」


私とまゆみちゃんが喧嘩している横で、お母さんが険しい顔をしながらつぶやいた。


「これは…あれね。翔太と一刻も早く結婚しないといけないかもね。」

へっ?

「お母さん、結婚てまだ翔太も私も17だし…」


「そういうことじゃなくて。
契りを結んでしまえ、ということよ。
それ以外に対抗する力はない気がする。」

対抗?何に?
契るって、なに?

「要するに、翔太と寝ろってことよ。」

なに~?
何でそうなるの?

なぜだか私の叫びが言葉にならない。

ならないまま、

私はその場に倒れ込んでしまった。
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