ヴァンパイアと人間


「ただいまー...」


シーンとした家の中


あたしにお父さんは居ない


生まれた時に違う女性と駈け落ち?したらしい


だから顔を見たこともない


「お母さんー...?」


リビングに入っても誰も居ない


「どこ行ったんだろう...?」


手紙も何もない


携帯を開いてもメールは来てない...


「...あれ...?」


今、メールが入った


「翔琉...から...?」


どうして翔琉から...?


『実桜、ごめんな
お前を1人に残して
俺、お前がヴァンパイアになるなんて見たくないんだ
そんなの絶対望まない
俺は人間の実桜に惚れた、本気で
許されない恋だったけど...楽しかった
俺は追放されたけど、今も実桜を愛してる
本気でずっと...愛してるよ』


あたしは泣き崩れた


何処に...居るの...?


今...何を思ってる...?


何を見てる...?


あたし...翔琉居ないと嫌だよ...


あたしがヴァンパイアになれば...翔琉は戻って来れるんでしょ...?


戻って来てよ...


あたしはヴァンパイアになるから...


今すぐ帰って来て...抱き締めてよ...











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