ヴァンパイアと人間


何か違和感を覚えた


誰かがいつもあたしのそばに居てくれた気がして


何処にも証拠はないけど...


たしかに誰かが居て、笑ってた


一緒になって、楽しく話してた


それが一体、誰なのかは分からないけど...


あたしは1限目を終えてカバンに荷物を詰める


「...あれ?」


カバンの中にくしゃくしゃになった紙が入ってる


誰かが...入れたのかな...?


恐る恐る紙を広げる


『絶対アンタの血を俺のもんにしてみせる
覚悟しとけ

ヴァンパイア』


...はい?


え、誰ですか?


ヴァンパイアって何!?


またその紙をクシャクシャにしてカバンに入れた


もう...帰って寝よ...


今ならお母さん帰ってるだろうし...


昨日のあたしと今日のあたしが違う気がする


誰かに聞かないと気が済まない


だって...変な違和感があるんだもん!!


何かが違う...


学校を抜け出して、家に帰る


「実桜って学校サボるの、好きだったよね~」


帰る途中もずっと誰かの声が聞こえる


心地良い...女の子の声












< 73 / 90 >

この作品をシェア

pagetop