Twitter恋愛


涼子との、初めてのキスは。



ものすごくビターなキスだった。



飲んでいたコーヒーの香りが鼻孔を撫でるようにすべり、唇のすき間から甘美な感触の舌と舌がわずかに触れ、ビクッと肩が浮く。


「……んっ」


何度かそれをくり返すと、お互い警戒を解いて、ゆっくりと深いキスになっていった。


それは、不器用なぼくたちが、唯一器用にできた行為だった。

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