無人街の無邪気少女
それから少女は、夢を見るようになりました。
そこは自分以外の皆がいる街。
自分がいないのが当然、といった顔で皆過ごしていました。
少女はそんな夢を見て、壊れてしまいそうになりました。
そして少女は、ひたすら強く思いました。
せめて、恋人には会いたい。
泣きながら、空に訴えかけました。
すると不思議なことに、空も泣きました。
少女は無理に笑って、それからすぐにまた泣き始めます。
空はずっと泣いています。
どこかで、ブレーキ音が鳴りました。
