雨をあびるアジサイ


マスター(と呼ぶように開店当初からなぜか命令されている)は、何分もしないうちに、ミルクティーを美里の前へ。


「おいおい。作り置きでもしてたんじゃないか?」


「人聞きの悪いことをいうな。営業妨害で訴えるぞ」


とかふくれっ面になりながらも、


「ほれ、今日は特別だ」


恩をベタベタと塗りつけるかのようないいぶりで、ぼくの前にもコーヒーを乱暴に置いた。


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