【一話読み切り】 科学は「愛せ」と言っている
 「いらないし」


 「嘘つけ。絶対、欲しいんだ」
 「授業中お前、腹、鳴ってたし」


 「なっ!? 寝てたくせに!」
 「――んもう!」
 私は対抗すべく、昼食のトマトレタスサンドを取り出した。
 「どう! これで、文句ないでしょ!?」


 「あ、それ美味そう。ちょうだい」


 「絶対やらん!」
 我々は先を争って、サンドイッチに食らいつく。
 「あぁ、トマトうまっ、レタスうまっ」


 「うそだ、うそ。本当は肉のがいいんだろ?」
 「女子はダイエットだなんだって。ほれ、カツサンド喰いたいか?」

 
 「キィ! 肉、肉ってもう。男子は壊血症で死ね!」

 
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