佐山君とバスケ
「俺は…俺は早苗とバスケができればそれで十分だ。」


「それって…」


元治君の顔が少し歪む。

「なんでだよ!お前超うめぇじゃんかよ!絶対お前らが入れば全国目指せるのに!」


「悪い元治。早苗と一緒にバスケしたいんだ。それにバスケ部に入ればバスケが上手いのは当たり前になってモテねえもん。」


「だから早苗はマネージャーでって言ってるだろ!」

今までゆるくドリブルをついていた佐山の手が止まった。


「バスケ部に入ればバスケ部の連中は早苗のこと好きになんだろうがよ!その怖さを俺は茜で経験したんだよ!」



佐山がいきなり叫ぶものだからコートにいた片付けをしている部活の子達がみんな止まった。
< 140 / 165 >

この作品をシェア

pagetop