キミニアイヲ.
──一緒に……暮らす?

楓と??



「きゃー!!よかったじゃない莉子~!社長夫人の夢が叶うわよ~」



目を点にしてパチパチと瞬きをする莉子に雪音が抱きついた。

瞬哉も目を輝かせて楓に尊敬の眼差しを向ける。



「マツさんかっこいー!!つーか信じらんねー!あのマツさんが同棲なんて…!」


「瞬哉」


「ハイっ!?もう何でも聞いちゃいます…」


「お前うるさい」


「……(泣)」



まだ呆然としている莉子に「どうした?」と楓はグラスを片手に問いかける。



「…本当にいいの?こんな急に…」


「急でもないよ?」


「?」


「いずれこうなってもいいなと思ってたから」


「……!!」



綺麗過ぎる笑顔に、胸がキュンとなる。


その胸の高鳴りを抑えるように、莉子は透き通るオレンジ色の液体を一気にごくりと飲み干した。








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