キミニアイヲ.
「ありがとう、愛莉ちゃん。また頼むよ」



とびきりの営業スマイルで、先にホテルを出る男を見送った。


部屋のテーブルには前払いの代金が置かれている。



「こんなお金…もっと違うところに使えばいいのに…」



彼女は数枚の千円札を見つめながら、無表情のまま呟いた。


こうでもしないと欲求が満たされない男達に、少し同情してるのかもしれない。



逆に、これで欲求が満たされるならいいんじゃないかと思うときもある。



恋人に、友達に、家族に、


迷惑をかけないで済むのなら──。




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