続・狼彼氏×天然彼女






「…ここで、休んでる?」



俺の目の前に座ってた実紅は、体を起こして脱いだ腰エプロンを畳んでいた。



ここで休んでるって?

俺を1人にすんわけ?



「修夜たちに一緒に遊ぼうって言われたの。 どうする?」


「実紅は遊びたいの?」



数秒だけ間が空いてから、実紅は笑顔で縦に頷いた。



泳げねぇくせに海とかプールが好きだから、実紅が誘いを断るはずがねぇんだよな。



この俺からの命令でアルバイトを始めたのだって、


海で働くって分かった途端に表情が変わったぐらいだし。




「…休んでる」


「1人で…平気…?」



俺が弱くなったからって急に態度が偉くなった実紅。



まるで留守番する子どもを、あやすような言い方で。



「実紅じゃねぇし」


「な、なにそれっ」


「そのままの意味だけど?」


「あたしが1人で居られないって言いたいのーっ?!」



ほんとに冗談無しで、頭の奥がガンガンして痛くなってきた。





.
< 218 / 466 >

この作品をシェア

pagetop