続・狼彼氏×天然彼女
「…ここで、休んでる?」
俺の目の前に座ってた実紅は、体を起こして脱いだ腰エプロンを畳んでいた。
ここで休んでるって?
俺を1人にすんわけ?
「修夜たちに一緒に遊ぼうって言われたの。 どうする?」
「実紅は遊びたいの?」
数秒だけ間が空いてから、実紅は笑顔で縦に頷いた。
泳げねぇくせに海とかプールが好きだから、実紅が誘いを断るはずがねぇんだよな。
この俺からの命令でアルバイトを始めたのだって、
海で働くって分かった途端に表情が変わったぐらいだし。
「…休んでる」
「1人で…平気…?」
俺が弱くなったからって急に態度が偉くなった実紅。
まるで留守番する子どもを、あやすような言い方で。
「実紅じゃねぇし」
「な、なにそれっ」
「そのままの意味だけど?」
「あたしが1人で居られないって言いたいのーっ?!」
ほんとに冗談無しで、頭の奥がガンガンして痛くなってきた。
.