続・狼彼氏×天然彼女





背後から聞こえたのは勿論、みんなの王子様の舜。



もう肌寒くなり、冬服の舜はポケットに手を入れて不機嫌丸出しの表情で立っていた。



久しぶりに舜の不機嫌な表情を見た。



ここ最近は受験に向けて勉強ばっかりで話す機会が全然無かったから


舜とこうやって向かい合うのさえ久しぶりのような気がする。



「また浮気すんの?」



だからって……久しぶりの一言目が『おい』で二言目が『また浮気すんの?』ってどうなのよ。



「度胸あるな」



ニヤリと怪しい笑みを浮かべる舜は何か企んでる感じだった。



これから図書室に行って先生の借りを返さないといけないのに、たぶん舜は当分帰そうとはしてくれない雰囲気。



いつになったら帰れるんだろ。
いつになったら話は終わるんだろ。
いつになったら舜の企みは実行されるんだろ。



今のあたしには、舜の企みがどんなのかとかよりも、いつ終わるのかの方が気になってた。



「あの…さ…」



あたしが声を出したのは、結構の時間が過ぎた頃だった。



沈黙が長く続けば舜も機嫌が良くなるかなと思って一番嫌いな沈黙を決断したけど………



「なに?浮気女」



機嫌が良くなるどころか



更に悪くなった。



.
< 415 / 466 >

この作品をシェア

pagetop