甘くないコーヒー
足元も白いサンダルだった。

足の爪はペディキュアというのか、空のような水色であり、彼女にぴったりの色だなぁと思った。

手の指は長く、ピアノでも弾いたら似合いそうな指だった。


その指がオレの太ももの上に置かれた。

何か、いけない事でもしているような感覚に襲われた。



そんな思いも束の間、ふっと明日見が「仕事に行くね。」と立ち上がった。


「あぁ、気を付けて。」と言うのがやっとだった。


「魚釣れるといいね。じゃまたね。」


手を振ると、ミニバンが止まっている方へ歩き出した。その後ろ姿を見送りながら、「またね…か。」と呟いた。


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