月華の鬼姫



とりあえず
ここが何処か確かめよう。


そう思い、

痛む肩を抑えながら
襖を開けて縁側に出た。



「……桜。」



私が出た縁側の目の前からは
丁度、桜が見えた。


今は四月上旬なので、
とても綺麗に咲いている



「…すぐ散っちゃうけどね」

「そうだね…」



あっ…あれ?
なんか空耳が聞こえたような…


返ってくるはずのない返事が
聞こえ、少し驚きながらも
声のした方に振り向くと…



「おはよう、気分はどう?」



そこには、
ニッコリと笑っている
かなり美形の男がいた。





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