lacrimosa







「…知りたい、教えろよ、アンジェロ!」


気づけばアンジェロの両肩を揺さぶっていた。

たかが絵の内容を秘密にされたくらいでこんなに動揺してしまうなんて。

自分はおかしいのかもしれない。

でもそれ程までにバスチアンのことが愛おしい。




『じゃあ、リュカ。

バスチアンじゃなくて僕のことを一番に好きでいてよ』



(…え)



バスチアンのことがどれほど愛おしいかを考えていれば、アンジェロは考えを読んだかのようにそう要求してきた。



(…からかってるのか?)



バスチアンではなく、アンジェロを。



(…天使なんかを、一番に好きになれっていうのか?)




――――冗談だろ










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