お隣サンは元彼クン
NY
あれから1週間。
初七日まで実家で過ごしていた柊二が帰って来た。

昨日の夜うちに、お礼を言いにきた。
正直、司と柊二の、やりとりにドキドキしていたけど当の本人達は前と変わらず普通の応対だった。

いや…少し仲良くなってる?ようにも見えたけど気のせいか?

次の日、久しぶりにベランダから柊二のタバコのけむりが見えて、あぁやっと帰って来たんだと実感した。

やっぱり毎日見てた物が1週間も見れないと淋しくなる。
なんとなくだけど柊二は今きっと柊二ママの事考えながら吸ってるなって思った。いつもより上へ上へ、けむりを上げようとしているのがわかったから。
けむりが届くといいな柊二ママの元に。

けむりは空高くあがって消えた。

元気づける為にバナナケーキでも焼くかね。

今日はとくに気合いいれて作った。

親を失って元気でいる子なんているわけないけど、少しでも早くいつもの柊二に戻ってほしい。

拓が寝たので柊二の家にケーキを持って行った。
『ちょっとあがるか』
っていう言葉にまた甘えた。
リビングには、この前、祭壇の横に飾ってあった柊二ママの自画像が飾ってあった。
< 52 / 62 >

この作品をシェア

pagetop