炭坑の子供たち(2)
 こちらは、ちょっと頭を使い

誰もが知ってそうな、有名な句は避けて

その日の朝刊に載った、入選作の句をノートに写し

これなら、誰にも気付かれないだろうからと

それを、発表してやろうとするが

1人1人が、自作の句、盗作の句、一部盗作の句を発表していく内に

こちらが、発表しようとしているのと、全く同じ句を

誰かが先に、披露してしまい

「お前に、こんな才能があるとは知らんかった、素晴しい」

と、先生にほめられていた。

そいつは、それ以来、クラスの女子に、モテモテとなり

早い者勝ちである。

そんな、一応自作の句を、今度は、毛筆で半紙に書く事になるが

墨汁なんてぜいたくな物はないから、すずりで墨をするのだが

墨の色が濃くなると、松の葉か杉の葉を入れて、墨と一緒にすっていた。

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