炭坑の子供たち(2)

身体検査

 当時は、無農薬野菜を食べていたからか

みんな体の中に、回虫と呼ばれる白い虫を持っていて

いつも、肛門さんがムズがゆく

虫下しの苦いチョコレートを、食べさせられていた。

女子は、頭ジラミを退治する為に

学校で、頭にDDTと言う白い粉をかけられ

新聞紙をかぶって下校していた。

又、結核予防の為に、腕に注射を打って、反応を見る

ツベルクリン反応と言うのがあり

その注射のあとに出来る、赤い円の直径が、1センチ以上ないと

陰性として、もう1本腕の付け根に、痛い注射を打たれるのである。

そこで物差しで計ってみて、それ以下だと分かると

腕にある注射のあとを、吸ったり揉んだりして

何とか直径を、2センチ程の大きさにするが

検査で、看護婦さんにそこを押さえられると

ニセモノの円は、直ぐに見破られてしまった。









< 32 / 50 >

この作品をシェア

pagetop