炭坑の子供たち(2)
 いくら出そうとしても

緊張して、何日も出ない日もあるので

学校に行く途中の草むらで

ある者は馬、もう1人は牛、更には、豆みたいにコロコロとしたヤギのフン

それらを、マッチ箱に入れて提出するが

後で何とも言って来ない所をみると

かの牛や馬やヤギは、健康体だったのだろう。

中でも、クラスで1番可愛かった女子は

絶対に持って来ようとはしなかった。

たまり兼ねた先生が

親に相談をしても

「みんなの前で、ケツをまくらせて、やらせるぞ」

と、おどしても、持って来る事はなかった。

恐らくその子は、永遠に持って来ないだろう。

“あの子が、ウンコなどする筈がない”

そう思い込ませる程の、可愛い子であった。

人格はともあれ。

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