ソラ
ス・キ


「えぇーっと。春野さん!?だよねぇー」

アタシは下校中、見知らぬ男子に声をかけられた。

「え?あ、はい……そうですけど!」

アタシは怪しむように答えた。

「俺、牧原高校の沢田って言うんだけど……守口って奴、覚えてる?」

「は、はい……」

「あ、じゃあ、俺そいつのダチなんだけど……ちょっとイイかな?」

「え?あ、はい」

アタシは言われるがままについて行った。

着いたのは静まり返った空き地。

寒気と嫌気で身震いをした。

そして、そのまま沢田は優しい顔で、アタシを睨んだ。

「オマエさぁ~なんか調子乗ってないっ?守口のこと無視したんだって??」

アタシは怖くなって逃げ出したくなった。

「やっ」

後ずさりをしていくと、壁に背中が当たった。

微笑む沢田の顔が、アタシの前から離れない。

「守口の懸命さ分かんない??告るのってマジ勇気いることだって分かんねぇの?」

「………」

アタシは言葉を失った。

……沢田の言ってることは正しい。

アタシ……何で連絡もしなかったんだろう。

アタシはひたすら自分を責め続けた。

そしてひたすらガンをとばされた。

「スイマセンでした。今日連絡します」

そう言うと「じゃあ、帰れ!」と離してくれた。

アタシは駅までひたすら走った。

ゴメンなさい、ゴメンなさい。

あぁゆうことに慣れてないアタシの心臓はバクバクで、破裂寸前だった。
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