恋人 × 交換!? 【完】
「頼りになりすぎ、ミッチ。タイミングよすぎだもんなぁ」
耳から携帯電話を離しながら、私はいい友達を持ったと、ちょっとだけテンションを持ち直した。
「でもこれ……自分で決めなきゃダメ、なんだよね……」
もう一度、奏に会うか会わないか。
これだけダメージを受けた心のまま、また会って本当に大丈夫なのか。
会わずに傷をいやして、いつかくるかもしれない新しい恋を待ち望んだほうがいいんじゃないか。
だまされることのない、落ち着いた恋を――。
「私……どっちを選んだらいい……?」
どこへともなしに、シャボン玉みたいに宙にプカプカとため息を何度もはきながら、私はこないだミッチからいわれたことを思い出していた。