先生とあたしの子育て〜愛する家族〜


【美羽】


「ねえ、どこ行くの!?美羽」

「行けばわかるよ、美希。きっと今理人と一緒にいるはずだから…」

佳菜は私の代わりに美希に答えてくれた。

「理兄の所?」

「うん♪理兄の所。あっ、着いた♪」

私たち3人は数学準備室に来た。

そう。剣人にお弁当を渡しに来たのだ。

剣人と付き合い出した次の日から、私は親が2人が仕事で帰ってくるのが来るのが夜遅いのをいい事に剣人の部屋で夕食を作り食べてウチに帰るのが日課になった。



ーーーコンコン。


「はい」

ドアを叩くと理兄の声がした。


ーーーガラガラ。


と、私たち3人は準備室に入る。

「おう、美羽。ちょうどいい所に来た。こいつどうにかしてくれ」

「え?」

理兄の目線のほうを見ると、メガネ外しソファーに疲れた様子の剣人の姿があった。

「剣人、どうしたの!?」

「ん?ああ…美羽。他のクラスの女子に囲まれてここまで逃げて来たんだ…」

「そっか…」

「ねぇ、理人。理人も去年剣兄と同じ事あったよね?」

「ああ。まぁ、すぐ 収まったけどな」

「…あの…みなさん、私のこと忘れてませんか?」

その声にハッと気づく。


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