先生とあたしの子育て〜愛する家族〜



…私はバカだ…



こんなに近くにいたのにどうして…気づかなかったんだろう?




「美羽?」

「佳菜がこれを取ろうとしてひ…く…っ…」

私は、泣きながら理兄に佳菜の指輪を渡した。

「…バカだな。佳菜…こんモノのために…」

理兄はそう優しく囁(ささや)いた。

「理兄…ごめ…ひ…くっ…」

「なんで、お前が謝るんだ?誰のせいでもない…」

そう言って、理兄は私を抱き締めた。







そして、『手術中』の電気が消えて、手術室から医師(せんせい)が出て来た。




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