辛口男子の甘い言葉




「ふふ…フッフッフッ…」

普通に笑えたのもつかの間…広瀬の顔を見ていたら


「キモい。」



こういうやり取りがやりたくなる。


「へへ。」

仲直りが嬉しくて、自然と笑みが溢れる。



「……」


そして急に黙り込んだ広瀬が気になり横を向くと、やけに優しく微笑んだ顔をして私を見ていた。



私は思わずドキっとしてしまい、慌てる。



「えっ、あの…え?」

初めて見た表情の広瀬に、若干パニックな私は意味不明な発言を繰り返す。



「なにテンパってんだよ。はい。」


笑いながら私に何かが入った袋を渡してきた。

変わらない優しい表情にドキドキしながら、中身を確かめずに聞いた。





「何これ…?」


「ん?ゴミ。」






期待した私がバカだった。







そしてしばらくすると家につく。


「それじゃ。」


そう言って、家に入ろうとした時。




「お前さ…」


「え、なに?」



「……………、好きなのか?…焼きそばパン」


「はい?」


「だったらやるよ!これ!!じゃーなっ!」




好きだなんて言ってないのに、買っていたパンを私に押しつけて帰っていった。





…変な広瀬。


< 11 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop