甘い毒
俺を見上げたお前は、ほんのり頬を染めていた。

やっぱり、ガキみてぇだな…俺達。



「‥‥知ってっか?綺麗な蝶でも毒持ってんの。」

「は?」


何を言ってるのかって顔してるお前。


「お前、昔から綺麗だったよ。俺より、よっぽど…毒持ってんじゃん。」

「嘘つき。」


クスッと、笑って言うお前。


な、今なら解るんだ。

お前、平気な顔で笑ってっけどさ…すげぇ悲しいんだろ。


「俺、今まで一度も嘘ついてない。」


だから、あえて言うよ。

今まで一度も嘘なんて付いてない。


裏を返せば…言わなかった事は、そう思わなかったって事。


それで、今のこの想いが伝わるだろ?
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