[百合]円還恋心



目が覚めた様子の彼女は、虚ろな目でボクを映す。


彼女が密かに気に入っている、お姫様ベッド。

レース付きのパステルピンクのカーテン。

花柄のワンピース。



これらは全て、ボクが彼女の為に用意したもの。





「おはよう。体、どこも痛くない?」


「……………………」



彼女は無言で頷く。


ボクはその返事に安堵して、部屋を出ようと立ち上がる。


扉の前まで来た時、ボクは振り返って一つの忠告をした。




「絶対、この部屋から出ないでね。絶対だよ」



その言葉にも彼女は頷いただけ。


ボクは、まあいいかと判断して部屋を出た。
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