冬うらら~猫と起爆スイッチ~

 はぁー。

 頭を抱えたため息が、ソウマから洩れた。

「お前…まだ思いを伝えてなかったのか…まさか、片思いとは」

 ここまでアレとは思っていなかった――そういう感じの苦笑混じりなコメントが返される。

「バッ…! 誰が片思いなんて…!」

 その単語にビックリしまくって、カイトは即座に否定しようとした。

 すると、またそれがソウマを驚かせる結果になってしまったようだ。

「お前…自分が、彼女をどんな目で見ているかも自覚してないのか? 『おめーはオレのもんだ! 他のヤツは寄るな触るな見るな!』って…カイト、お前がホレてもいない女に、こんな独占欲を発揮したりできる男とは思えないんだがな…しかも、この家にまで入れるなんて」

 とてもじゃないが、信じられん。

 信じられないのは、カイトだった。

 な、何言ってやがんだ…こいつ。

 今度は、カイトが目を見開いてソウマを見たまま、凍りつく番だった。
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