それでも朝はやって来る
ガラリと教室のドアが開いて、真楯が入ってきた。


江口先生の時は、先生が入ってきても皆なかなか席に着かなかったけど、真楯の時は全然違う。

真楯は何も言わないけど、皆何故か席に着くのだ。

彼の物言いはソフトだけど、説得力があるんだ。


一通り出席をとった後、真楯は言った。


「今日は新しい転校生を皆に紹介するよ、どうぞ入って…」


皆にわかるかわからないかの早さで、真楯は朝子にウィンクした。

真楯がそうするときは何かある…はず…


「キャー、カッコいい!!」


黄色い歓声が飛び出した。

あまりの歓声にビックリして、ドアの方に目をやる。




彼はうちの高校のブレザーに身を包み真楯の横に立っていた。



「エエーッ!!!!」


ガタンと椅子をひっくり返して、立ち上がってしまった。


なっ

なんで、悠里がここに!?


でも、なんか感じが違う?



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