穢れ亡きカケラ



……もしそれが、本当だったのなら。


(俺は……世界はどうなるんだ──?)


再び暁が、俺の思っていた事を悟ったように、告げた。


「いや、そんな事で、バランスは崩れたりはしない。寧ろ、その逆だと思って良い」


「逆?」


「そのカケラは、道標になる。崩れたバランスを、戻す為のな」


「バランスを、戻す……」


そんな事が可能なのか?


「お前なら……お前等になら出来る。カケラに選ばれたからな」


「カケラが人を選ぶのか?」


「嗚呼。現にお前等、選ばれて今、この場所にいるんだからな」


俺達が、その“選ばれた人間”だと、いうのか──?


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