君を探して
私が泣きじゃくる間、ずっと無言で私を抱きしめてくれていたチョコが、私が落ち着きを取り戻したところでこう切り出した。

「さぁ、これからどうする?」

そう言うチョコの声は、かなり弾んでいる。

「え?」

「泣いてる場合じゃないよ、深月! “オレ”の正体突き止めるよ!」

私はそんなチョコに圧倒された。

だけど、次に「うん」と答えたのは、間違いなく自分の意志だった。


昨日の様子から、“オレ”は、もう二度と、私にその正体を明かそうとしてくれない気がしていた。

“オレ”は、『オレ様』の存在を封印しようとしている。


──だとしたら、私から“オレ”を探さなければ!

正体を知るのが怖いとか今のままがいいとか、言ってられない。


チョコが私に聞いてきた。

「ねえ、深月は“オレ”の正体がどんな奴でも、平気?」

どんな奴でも……。

そんなこと、考えたことがなかった。

“オレ”がどんな姿をしていても、

どんな性格をしていても、

私にとって“オレ”は“オレ”だ。

いつも私のことを見てくれている、かけがえのない存在だ。
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