君を探して
気がつけば私は、そんな“オレ”を、皮肉を込めて“オレ様”と呼ぶようになっていた。

だけど本人は、恐縮するどころか<いいなぁ、その響き>なんて喜んでいる。

そんな“オレ”のことでわかったのは、朝と夜しかメールが返ってこないことと、遠慮のない性格だということだけだった。


だけどもう、“オレ”が誰なのかなんて、どうでもよくなって来ていた。

学校でどんなヤツでも、私にとって“オレ”はメル友。

毎日朝晩、他愛もない会話を交わす相手。


……それだけでいいような気がする。


私は次第に、“オレ”の正体について詮索することも、考えることも、しなくなっていた。
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