神様は見ている

俺は至って普通です




俺は至って健全な高校生。


何か特別な力があるとか喧嘩が強いとか凄いモテるとか勉強が誰よりも出来るとか
そんな人間じゃない


音山 和真


高校2年生の春


潰れかけの教会にて


幼馴染、

池田 マリア(いけだ まりあ)


と、二人っきりだが喜べない


―――――約10分前――――

「なにやってんの?お前」



俺の声だけが教会に響き渡る

マリアはいつもの様にシスター服にポニーテールという姿



それだけでも十分おかしな風景だが
マリアは教会に飾られている大きな十字架のそばで隠れる様に身を潜めていた

片手にはなぜかマイク


「なんだ、和真か。」


マリアは俺を見て興味なさそうに呟いた


この教会の奥には大きく飾られた十字架がある

昔はよく近所の人達が見に来ていたりしていたけど
今はもうほとんど誰も来ない


そう…今は




「なんだって…おいヒデェーな…」



俺は少し怒った表情を見せたがマリアは気にも止めずに
じぃっと教会の入り口を見続けている



すると、扉が開き


俺はマリアに手を引っ張られ、マリアが身を潜めていた場所に押し込められた

マリアも隠れる様にして俺の隣に座る
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