君があたしを好きな理由 [短編]
うそ…
瞬はちゃんと…あたしのこと、好きでいてくれたの?
「瞬…?」
手を伸ばして、
瞬の制服の袖を握った。
「…ん?」
目が合った時の瞬の顔は、
いつもみたいに困ったような、だけどとても優しい笑顔だった。
「瞬は…あたしのこと好き…?」
あたしの突然の言葉に、瞬の顔は真っ赤に染まる。
そしてそっと、あたしの耳元に口を近付けた。
「…俺はちゃんと、
葉月のことが好きだよ」
伝わらなかった「好き」の気持ちは、
今やっと、繋がった。
あたしの、
バカでドジで鈍感なところ。
危なくて、ほっとけないところ。
あたしが、ありのままのあたしでいること。
それが、君があたしを好きな理由。
[完]
![[新連載]君への想い、僕らの距離。](https://www.berrys-cafe.jp/assets/1.0.816/img/book/genre1.png)