君があたしを好きな理由 [短編]
***
「葉月ー、帰るよ」
「………」
「…葉月?」
「…っえ!?」
突然耳元で瞬の声がして、
びっくりしてあたしは顔を上げた。
…っち、近い!!
顔を上げた瞬間の、瞬との距離は数センチ。
あたしは思わず後ずさりしてしまった。
グラッ…
…あれ?
「…ちょ…っ葉月!!」
傾いたあたしの身体は、
瞬から腕を掴まれて、そのまま瞬の腕の中に引き寄せられた。
瞬から抱きしめられる形になって、あたしの身体はすっぽりと瞬の腕の中に納まった。
「…あっぶねー…
葉月、大丈夫か?」
抱きしめられたまま、
瞬に耳元でそう言われて。
あたしの身体はビクッとなった。
「…葉月?」