言葉にしなきゃ伝わらない。

窓側の一列が私達の席。



ふと、空を見ると、よく晴れていて夏なのに涼しい風が入ってくる。


カーテンが揺れて私の視界を隠すほどだった。



「何だか風が強いね~」


くるりと後ろを向き夏乃がうざったそうに言う。


「ちょ・・・俺、寝れねぇんだけど」


左手で一生懸命、カーテンをよけようと必死の和馬



「気持ちいいよ、風は」

窓の外に、そっと手を伸ばす。



出している手が風に当たり少しくすぐったい。



「あーーあたしも、それする!!!」


夏乃が元気よく言った瞬間


ガラッと教室のドアが勢いよく開いた。


「ちぇっ来ちゃったじゃん」


「もー・・・そんな事言わないの」


頬をふくらましながら、悔しそうに前を向く




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