言葉にしなきゃ伝わらない。


トンっと教卓に手を置いて少し体勢を乗り出す先生。


一体・・・何があるんだろう?


何故か今日は、いつもより笑顔が激しい気がするし...



周りを見ると不思議そうな顔をした生徒が、ちらほらといる。


・・・・・やっぱり、なんか変だよ..先生。



「皆~聞いてくれー今日は大事なお知らせがあるんだ!!!」

元気な大声を張り上げる先生



・・・別に、大声で言わなくても聞くのに...と心中で呟く。


きっと皆も同じだろう、そう思って、また当たりを見ると...

皆、不思議そうな顔から呆れた顔をしていた。


....やっぱり

ため息なんてついてる人もいるし...。



呆れている私達をガン無視で、どんどん進めていく先生


「今日から皆に新しい仲間が増えるんだ!!!そう、転校生が来るんだ!!」


瞳をキラキラと輝かせる。

気持ち、声がだんだんと大きくなっているように聞こえる...。



そんな遠回しに“新しい仲間”って言わなくても、最初っから転校生って言えば...


――――って・・・



「「「転校生!!??」」」


見事にハモる我がクラス


「そうだ、転校生だ!!!それでは、さっそく入ってもらおうか~転校生っカモーン!!」


その瞬間、一気にクラスの視線が扉へと移る。



・・・季節外れの転校生。


何だろう・・・この胸のざわざわ感。



そっと胸を押さえ、私も静かにドアへと視線を向けた。
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