言葉にしなきゃ伝わらない。
トクン...―――...トクン―――...
鼓動が胸がはずむ。
じわって何かが私の中であふれだすような、名前も知らない“何かが”湧きあがる。
鮮明に周りの景色がゆっくりと流れていく。
私よりも大きくて綺麗な手も肩幅も鼻をくすぐる安心できる香りも...
今まで出会ったことのない
感じたことのない
“私の大切な居場所”
男の子の服の袖を、くいっと引っ張る。
「・・ん?どないしたん?泣きそうな顔して」
無垢な笑顔を私に向ける男の子
ねぇ....
もっと・・・もっと、“あなた”の事が知りたいよ....。