言葉にしなきゃ伝わらない。
その間中、優心は相槌だけで何も言わず、ただ画面を見ていた。




夜中の涼しい風が私達を、そっと包む。


なんだか慰められているような優しい風に後押しされ、懸命に文字を打ち続けた。





―――そして



『聞いてくれて、ありがとう』



その文字を打ち、優心に見せた。




画面を見せた瞬間、優心がいきなり私を抱きしめた。




「美月・・・美月・・・辛かったなぁ....頑張ったなぁ....」


涙声で震えている優心の声。




その言葉を胸に刻みながら何度も頷く。
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