言葉にしなきゃ伝わらない。
懇願するように優心を見つめた。


そっと、優心の手と合わせて願い続ける...。



―――でも

「このままじゃ、美月は自分の事溜めこんでしもーて...抱えきれんようになる。俺の前では笑顔でいたい、ってそう言ってくれたことあったよな?・・・その気持ちは嬉しい。だけど...美月にだけは、そういう・・抱え込むとかしてほしくないねん!!!」



強い口調

夜風にも負けない響き渡る大きな声。




違う・・・そうじゃない・・・私は優心がいるから、頑張ろうって思える。生きようって思えた。


私にとって優心は・・・たった1人の支えなんだよ。




届かない想い

届けることが出来ない願い

叶うはずない...言葉



「初めて会った時・・・あぁ、この子も俺と同じなんや。そう思った。やから、段々と好きになって...目が離されへんようになった。助けてやりたい、守ってやりたい。支えになりたい...傍にいたい。・・・でも、それは自分自身に対しての償いだったのかもしれん。俺のようになって欲しくないから・・・・そう美月に接したのかもしれん」



さっきの怒り口調とは違う、酷く悲しい言葉

「俺のようになって欲しくないから」


この言葉が私の頭の中でループする。



同じ

償い

自分自身




ねぇ...優心。


それって・・・私に対して優しかったのは・・・・



自分の罪滅ぼし?

同情?




・・・・そうだったの?





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