【短編】ぼくらはみんな生きている
ある日、空にはどんよりとした雲が漂っていた。


ボクは、スープを温めていた。


そんな時だった。


雨が降りだした。


10メートル先が見えないくらいにどしゃ降りだった。


・・・これだ!


ボクはお父さんを抱えて外に出た。


「おーい!!もっと水をくれよ!」


ボクは叫んだ。


何度も何度でも叫んだ。


空に届くくらいに叫んだ。



「お父さんを返してよ!持っていかないで!」











あれ・・・?





体が・・・重い





どうして?





待ってよ・・・





もう少しで





あと少しで





お父さんが起きるんだよ





待ってよ・・・





待って・・・







あ・・・れ・・・?











ボク・・・泣い・・・て・・・












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