激甘カレは超セレブ





結局昼休みはあんな調子で、オヤジーズのプロフィール完全制覇は出来なかった。



先輩秘書よりも先に戻らなくちゃならないと思ったあたしは、香里より早く食堂を出た。


今はまだ誰も戻って来てないオフィスに一人。





……ヤバい。
全部今日中は無理かも。

でも覚えなきゃあたしのメンツがたたんしなぁ。


さっきの書類とにらめっこを始めるけど。




「はぁ……。」


新しく与えられたデスクに突っ伏す。


なんだかやる気にならない。

そりゃそうだ。


あたしが希望して移動したんじゃない。

第一営業部でそれなりにキャリアを積んだあたしが、どうして今更花形の秘書課なんかに行かなきゃなんないの。


「絶対誰かの策略だわ。」




すると、ちょっと離れたところでノックする音がした。


< 28 / 93 >

この作品をシェア

pagetop