毒舌メイド 【完】
―― コンコン
『あー、はい? どーぞ』
少し遠慮がちに開く。
理由? 勿論、会いたくないから。
クラスメイトに仕えるなんて、死ぬほどゴメンだ。
「悠馬。こちらはメイドの水城真桜さんだ。これから仲良くするんだぞ」
成本君のお父さんが、代わりに私の名前を言ってくれた。
「よろしくお願いします」
感情のこもらない声で、淡々と言って頭を下げる。
そうでもしないと、溜息を吐いてしまいそう。