三度目のキスをしたらサヨナラ
彼は私の早足に合わせるように、歩幅を広げて歩いた。
だけど足を踏み出すペースは変わらず、ゆっくりとしたリズムを刻んでいる。
「えーと、さっきはありがとう。ちゃんとお礼を言いたくて」
歩きながら、彼は軽く頭を下げた。
私もつられて会釈を返す。
「救われたよ。あのままだったら俺、明日は受験どころじゃなかった」
「何があったの?」
前を向いたまま、早足で歩きながら、私は彼に尋ねた。
「……うん……」
「言いたくないなら、無理して言わなくていいけど?」
この言い方、我ながらイヤな感じ。
本当はさっきから彼の泣き顔が頭から離れないっていうのに、私って、なんてかわいげがないんだろう。
「そんなことないよ」
一息入れて、彼は続けた。
「彼女にフラれたんだ。ものすっごく大好きだったんだけどね。もう俺とは無理なんだって」
やっぱり、失恋か。
「原因は?」
「遠距離恋愛に疲れたんだって」
「……そうなんだ」
「あーあ。俺、頑張ったんだけどなぁ……」
だけど足を踏み出すペースは変わらず、ゆっくりとしたリズムを刻んでいる。
「えーと、さっきはありがとう。ちゃんとお礼を言いたくて」
歩きながら、彼は軽く頭を下げた。
私もつられて会釈を返す。
「救われたよ。あのままだったら俺、明日は受験どころじゃなかった」
「何があったの?」
前を向いたまま、早足で歩きながら、私は彼に尋ねた。
「……うん……」
「言いたくないなら、無理して言わなくていいけど?」
この言い方、我ながらイヤな感じ。
本当はさっきから彼の泣き顔が頭から離れないっていうのに、私って、なんてかわいげがないんだろう。
「そんなことないよ」
一息入れて、彼は続けた。
「彼女にフラれたんだ。ものすっごく大好きだったんだけどね。もう俺とは無理なんだって」
やっぱり、失恋か。
「原因は?」
「遠距離恋愛に疲れたんだって」
「……そうなんだ」
「あーあ。俺、頑張ったんだけどなぁ……」