移り変わる季節とともに
「ねぇ奏。
 私大きい水槽みたいなぁ。」

薫子と千秋くんを見てるのがつらくて奏に助けを求めてみる。


「ん?
 2人で行くの?」

私は頷いた。

大きい水槽があるのは奥。

順番通りに見ている2人がくるのは30分後くらい。


「キレイだね...
 水槽の中だけどさ。」

「そうだな。」

奏は何も聞かない。

いきなり別行動するって言い出したんだから疑問に思ってるはずなのに。


「葵。
 泣いてもいーぞ。
 わかってるから。」

何で分かっちゃうの...?

何で優しくするの...?

隠してたのに...

我慢してたのに...


「...奏ぇ!!
 あの2人みてるのツライの。
 はじめてあったとき諦めるっていったけど本当は少しだけ付き合いたいって思いがあった。
 でもさっきまでの2人みてると叶わないなぁって...
 本物だって。
 涙がでるくらい眩しくて羨ましいの!」

私は思ってたこと全部話した。

奏にだったら言ってもいいって思ったし聞いて欲しかった。


「うん。
 俺もそう思ったよ。」

「あ......」

奏も同じだったんだ...

なのに私のこと助けて,笑って。





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