堕天使の詩 (未完)
軽く腕が痛い。
拳を見ると少しだけ赤くなっていた。





殴りかかろうとした一人を軽く交わし背後に回る、腕をとり捻り上げた。
「イテテテッ」
手加減したつもりが少し強かった様子だったが、構わずその体制のままで俺は背を壁に向ける。
いくら神経を集中させても多勢に背後を取られれば負けるのは当然と頭に叩き困れていた為、自然に体は動いていた。
次の男が飛び掛かって来るのを視界の端に確認して捻り上げた男の腕を離し尻を蹴りあげる。

次の男が拳を降りきる前に飛び出し腹に一発。
また次の男が突進してくる正面から腹に蹴りをいれ崩れ落ちた。
「テメェふざけやがって!」
言いながらタックルする様にかってきた男に突き飛ばされ壁に背を打ったが下から顔を膝蹴り、両手を組んで背中に振り下ろす。


残りは二人。


「良い度胸してんじゃねーか!」
一人が言いながら薄笑いを浮かべもう一人と目配せする。
少し乱れた息を取り戻す様に深く一度呼吸する。
吐き終わる直前に二人同時に踏み出された先にいた俺は軽く一瞥し避けながら一人の腹に回し蹴り一発、軸足と反対の足に重心を素早く変えてもう一人の顔を目掛けて裏蹴りする。
腹に喰らっても持ちこたえた男を振り返り様に裏拳で顔を打った。
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